「ねえ上月」
「なに?」
「デートしたい」
うん?
あまりに脈絡のないセリフ。
「今なんて?」
私が聞きまちがえた可能性もあるから、一応確認してみる。
「デートしたい」
同じセリフがくり返された。
人を動揺させるのがお好きらしい。
慌てているのを悟られたくないから、
「……ああ、そう」
と冷静なふりをして返してみる。
「いつ空いてんの?」
「えっ……」
「今週の土曜とかどう?」
「ちょっ、と待ってよ……」
話を勝手に進めないでほしい。
「なんで私と中島くんがデートすることになってるの」
「俺が誘ったからだろ」
いきなりデート話なんて。
やっぱりこの男軽すぎる。
ていうかその前に、
「なんで私?」
「理由いる?」
「だって中島くんモテるんだし、デートする女の子とかいっぱいいるでしょ、それに……」
「ごちゃごちゃうるせぇーなあ」
ぐっと顔が近づけられる。至近距離。
唇、触れそう。
「くだんないことはいーから、早く返事よこして」
じゃねぇと塞ぐぞ、とでも言わんばかりの圧力。



