……これはいったい。
言っても聞いてくれないから、手が離れたわずかな隙をみてうしろに隠そうとしたけど。
「逃げんな」
あっさり捕まってしまう。
「手首ほっそ。両腕合わせても片手でつかめるな」
無理やり両手をくっつけさせられたかと思えば、左手だけで束ねられる。
逮捕された犯人みたいなかっこう。
ほら、と見せつけてくる中島くんは
なにやら満足気。
機嫌なおったみたい。
それはよかったけど、いつまでこれを続けるんだろう。
さっき歩いてきた奥のほうから生徒たちの話し声が聞こえてくる。
もう少ししたら登校ラッシュ。くつ箱が込みあう時間帯。
「そろそろ教室行こうよ」
「えー……」
わざとらしい駄々っ子声をだしてくる。



