中島くん、わざとでしょ



私の手に中島くんがそっと触れる。

ピクッと指先が反応した。

ゆるく絡まって、それからほんの少し力がこもるけど、ちょっとでも拒めばすぐにほどけてしまいそう。弱々しい。





「……いつから付き合ってた」


静かな声で聞いてくる。




「……中学校の、2年生くらい」

「なんで別れたの」

「……」

「お前バカみたいに未練たらたらだよな」




静かになったと思ったらすぐ馬鹿にしてくる。




「別れたとき悲しかった?」



浮き沈みのないトーンでそう聞かれて、あの頃の思い出が脳裏をよぎった。

できればあんまり思い出したくない。

綺麗な部分だけ残しておければいいのに。





「……なんて顔してんだよ」




指を絡めたまま中島くんがその場にしゃがみこむ。

だから私も、自然と腰をおろす形になり。






「バカだな。……付き合うから別れるんだよ」



いったん離れたかと思えば、今度は両手で確かめるようにぎゅっと握りしめられた。