「ちょ、なに……」
「寝たのか」
「はい?」
「遼クンとやったことあんのかって聞いてんだよ」
ポカンと見上げる私。
すぐに意味がわかって赤面するけど、中島くんは感情の読めない冷たい目で見下ろしてくる。
「っ、い、意味分かんないし……いきなりなんなの」
「ぐだぐだ言わずに答えろ」
睨まれた。
さっきからずっと怖いまま。
「やめてよ……なんか、怖いよ、中島くん」
後ずさろうにも背中は壁にピッタリくっついてしまっていて動けず。
それなのに中島くんはよりいっそう距離を縮めてくるから、せめて視線だけでも逃れようとうつむいた。
すると目の前がフッと暗くなって
影が落ちてくる。
目線が同じ高さになったかと思えば、中島くんはもう少しかがんだ姿勢になり
うつむいている私を下からすくいあげるように見つめた。
目の前の黒い瞳が不安定に揺れる。
「……て」
口元が小さく動いた。
かすれた声。
聞きとれないのに、なぜか無性に切ない気持ちなる。
なに? と震えた声で聞きかえすと、私を壁に押さえつけていた腕が力なくおろされた。
「俺のこと見て……はのん」



