予想もしてなかった遼くんの言葉に尋常じゃないほど心拍数がいっきにあがって体全体があつくなった。
なんで今それを言うの?
逃げ出したい衝動に駆られる。
中島くんの手の力がふとゆるんだ。
「……へぇ。キスが初めてじゃないって言ってたのはそーいうこと」
隙をみて抜け出した私を、細められた冷ややかな目が見下ろしてくる。
だけど口元は薄く笑ったまま。
中島くんのセリフを頭の中でくり返す。
まずいと思った。
キスが “ 初めてじゃない ” 。
それは、その “ 次 ” がなければ出てこない言葉。
気づかないで、必死でと祈る。
でも賢い遼くんならきっと分かってしまう。
「やっぱり、はのんに手を出してたんだね」
……案の定。
遼くんはそう言って中島くんを再度見つめた。
もう笑っていなかった。



