中島くん、わざとでしょ




遼くんは中島くんに微笑みかけた。


だけど中島くんは一歩引いた距離のまま近づこうとしない。

さっきまでの上機嫌さはどこかへ消え失せ、にこりともしない静かな目で遼くんを見つめて




「どーも」

と低い声を出す。


それはあからさまに怒ってますとでもいうような響きだった。




いけない。
どうしたことか優等生の仮面が剥がれかけてる。

私の前ではどんなモードの中島くんでも構わないけど、生徒会長の前なのに……。



慌てて中島くんの腕をつかんでこちら側に引きよせた。




「中島くんは低血圧で朝は不機嫌そうに見えるだけで、本当はすごく真面目で勉強もできて周りに気を配れるステキな人なんだよ」



どうして私がこんなに取り繕った説明をしなきゃいけないのかと思いながら、中島くんの代わりに必死で笑ってみせた。