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「────あのうさぎ、なんて名前のキャラクターなの?」
月曜日がきて、昇降口に中島くんの姿を見つけた私はまっさきに駆け寄った。
クラスの中心人物に自分から声を掛けに走っていくなんて普段ならぜったいしないけど
少し早い時間のせいか、中島くんの周りに誰もいなかったから。
『あのうさぎ』だけで伝わったらしい中島くんは、パッと顔を輝かせて。
もうちょっと雑な受け答えを想像してた私は予想外の笑顔に驚いてしまった。
「あれ可愛いよな。 めっちゃ気に入ってる。俺の好きなデザイナーさんのキャラクター」
なんだか嬉しそう。
そんなにお気に入りの物なら『捨てて』なんて言わなきゃいいのに。
中島くんの考えがちょっとわからない。



