中島くん、わざとでしょ




私が何も言わなかったからか、それとも元々送ってくれるつもりだったのかわからないけど、中島くんは駅のホームまでついてきてくれた。




「中島くん、家どのへん?」

反対方向とかだったら申し訳ないなと思い聞いてみる。




「このへん」

「近いの?」

「近い」


へぇ~とうなずくと、また沈黙がおとずれる。



そういえば中島くん、ひとり暮らしってほんと?


話を振ってみようかと思ったけど、ひとり暮らしって家庭によって様々な事情があるだろうし、軽率に聞いていいものじゃない気がしてやめた。


それに、沈黙といっても中島くんはさっきからぼうっと立っているわけじゃなくて
何かを真剣に考え込むようにうつむいていて、話しかけられる空気じゃなかったというのもある。



スマホを見ると、電車が来るまであと1分足らずの時刻になっていた。