中島くん、わざとでしょ



10歩くらい歩いたところでようやく


「今後の参考に」

と、低い声が返ってきた。





そういえば大学も、明確な志望先があるみたいだし。


結婚の話なんて私としてはまだ早いと感じてしまうけど、中島くんはだいぶ先のビジョンをつくっているのかもしれない。



この歳で将来について真剣に考える人ってあんまりいないと思うから、ここは素直に尊敬すべき。





「もしかして中島くん好きな人いるの?」



偉そうな態度をわざわざ変えてまで聞いてくるということは、よっぽど知りたい事柄だったに違いない。


私なんかの意見が女子の代表として参考になるかどうかはわからないけど、真剣に考えているなら答えてあげなくちゃいけないかな……と。




「なんでそんなこと聞くわけ」

「え……だって、単純に気になるし」


「上月に関係ないよな」

「う……確かにそうだけど」



関係ないから踏み込むなってこと?

この話題をつくったのは中島くんだと言えなくもないのに。まったく勝手すぎる。


なんて思っていたら、いつの間にか
駅の下のトンネルまで来ていた。





「いる。 宇宙一可愛いと思う女が」