中島くん、わざとでしょ



ハッとして再びスマホを見ると、もう集合時間を過ぎてしまっていた。

生徒会室まで全力駆け足。
遅れたことを謝りながらドアを開けて、端っこの席に腰を下ろす。



ふと、隣を見てびっくりした。そこに座っていたのは、生徒会メンバーじゃない男子だったから。

スマホを横向きにして、なにやらゲームをしている様子。


誰だろう……と思って遠慮がちに見つめていたら、視線に気づいたのか相手が顔を上げる。

私を見て「どーも」と軽く笑ったかと思えば




「あんたもしかして、中島が話してた女か」


と、ひそめた声で話しかけてきた。

話してた女……?



「あいつをぶっ叩く女がいるとは驚いたな」


ニヤリと笑われて顔があつくなる。
中島くん、まさかあの出来事を誰かに話してたなんて。
しかも人を暴力女みたいに。

元はといえば中島くんが悪いのに。



「ぶっ叩くなんて……そんな乱暴なことは……」

ほっぺたを叩いたのは事実だけど、拳で殴ったわけでもないし怪我をさせたわけでもない。