まさかその名前が出てくるとは思ってなかった。




「うん。同じだけど」


うなずくと、みんなは歩くペースをゆるめて私の周りを取り囲んだ。




「生徒会に誘ってみてくんね?」

「中島くんを?」

「そー」

「……う……ん」



曖昧な返事をしてしまった。




「中島って不良束ねてるだろ。 中島のクラスだけ大人しいって有名だぜ」

「なのに本人は模範的な優等生ってね」

「ルール破ったヤツは裏でそーとーボコられるって聞いたことあるけど」

「なんだそれ。こえー。 けどそれで生徒が言うこと聞くならこっちも助かるわ」




どこまで本当か分からない話を耳で受け流しながら考える。

中島くんを生徒会に。

入ってくれるかは置いておいて、かなり心配な要素がある。



中島くんは、私が遼くんのことを好きだって知ってる。いつバラされるか気が気じゃないし、遼くんに、私と中島くんが仲がいいって思われても困る。