生徒会のメンバーは計6名。私以外、全員男子。
学校に女子がほとんどいないことを考えるとおかしい話じゃない。
そもそも生徒会選挙なるものがないのだ、この西高には。
教務主任が会長に遼くんを推薦して、その他のメンバーは遼くんの指名で自由に選ばれた。
つまり西高の生徒会は、遼くんと、遼くんの友だち、そして一人ぐらい女子がいたほうがいいという先生の助言から、遼くんの幼なじみである私が書記に選ばれ、できあがった。
先生たちも遼くんが信頼しているメンバーなら安心して任せられるだろうということで、特に口を出すこともなく。
実際、人数が少ないわりに仕事もちゃんとこなすので、一目置かれる存在になっている……らしい。
「つーか。結局は文化祭を穏便に過ごせるようにしたいって話だろ。つまりオレたちは見回り担当ってわけだ」
「だな」
「けど表向きは運営に回らなきゃいけねぇわけだろ。人足りんくね」
「せめて遼があと一人いればな……」
みんなでうなりながら廊下を歩く。
すると、ふいに振り向いた副会長と目が合って。
「そういや上月ちゃん、あいつとクラス同じじゃなかったっけ」
「あいつ?」
「中島琉生」