中島くん、わざとでしょ



「……や、気を使わなくて大丈夫だから。 どうせゴミだし、私、自分で捨てるから」

「俺がゴミだと思ってないから持って帰るんだろ」

「え……」

「俺が上月が相手に妙な気つかったりしないって、分かってんじゃないの?」




そう言われてみればそう。

私の前じゃ容赦なく悪態つくし、態度悪いし、朝だって無視してたし。



「……うん。 ありがとう」


ここで私がお礼を言うのもヘンかなって思ったけど、なんだか嬉しかったから。


すると──────。




「中島ー、今日どこ寄って帰んだ?」


一人の男子が声を掛けてきたかと思えば。
それに続いて、ぞろぞろと大人数が集まってくる。



あああ、また人壁ができる。

すばやくここを離れるしかないと判断。



「じゃあ……」と中島くんに小さく声をかけて、足を一歩踏み出した


……けど。



その直後、ぐっ、と後ろに重力がかかる。

何事かと思えば、カバンを引っ張られていた。



私のカバンを片手で力強く引っ張ったまま、ニコニコと愛想のいい笑顔をクラスメイトに向けて。




「今日は先に帰っててくんない?」


なんて言ったかと思えば。





「てか、今すぐ二人きりにしてほしいんだけど
……とかね」