「あっ、ありがとう! 拾ってくれて!」
奪う勢いで手を伸ばすと、ひょいと避けられ、私の指先は空を切る。
私の手から逃れた中島くんはその紙をじっと見つめて。
「……」
「……」
沈黙。
冷や汗がたらりと垂れた。
「これ、俺が出てない授業のやつ……」
「っ、それは違……くて」
誤魔化すための材料がそろわないまま否定しても、先のセリフが見つかるわけはなく。
「違うんだ」
「う……」
「付箋に、俺の名前書いてあんのに?」
「……あ」
トン、と人差し指が置かれた箇所を見て、もう認めるしかないと諦めた。
自分のプリントと混ざらないように、『中島くんの分』と書いた付箋を張りつけていたんだった。
「余計なお世話だったよね。 中島くん、他の人からも貰ってたしね、頭わるい女のノートとか普通にいらないよね」
アハハ…って自虐的に笑ってみたのに、中島くんは表情を変えず、反応を示してくれない。



