「言わなくても分かんだろ。いろいろと都合がいーから、学校では優等生らしく過ごしてんの」
腕を頭のうしろで組んで、またため息をついてみせる。わざわざ言わせんなよ、って顔。
「かと言って、優等生の俺が完全にニセモノってわけでもないぜ ? 意識しなくたってできるし、苦痛でもないしね」
「えっ、そうなの?」
思わず素になって聞き返すと、ニヤリと笑われて、しまったと思う。
嫌いなはずなのに、関心を示してしまった。
「俺に興味わいた?」
「っ! そんなわけない」
「こっちの俺を女子に見せたのは、あんたが初めてなんだけど」
えっ、そうなの?
と、また同じリアクションを返しそうになって慌てて口を閉じる。
「だから何?」
なるべく冷たい反応を心がけよう。
いつの間にか中島くんのペースに引きずり込まれてるの、くやしいから。
「ある意味、特別な存在だよ」
ぐっと顔を近づけられたかと思えば、低くて甘い声で囁いてくる。
一瞬、不整脈みたいにドクドクっと心拍数が上がったのはぜったい気のせい。
「離れて、変態……っ」
気のせいなのはわかってるけど、気のせいだと思ったことすらなかったことにしたくて、思いっきり目を逸らして距離をとった。



