……そうだよね。
お弁当袋の持ち手をぎゅっと握る。
私がコピーを取らなくても、中島くんのことを思ってる人はたくさんいるわけで。
あーあ。コピー代にかかった総額約100円、無駄だったなって。
ううん100円なんていいんだ。
お金じゃなくて、気持ちの問題。
中島くんが来たら渡そうって思ってた、私の机の中にあるファイル。 コピーされた私の板書たちが急に可哀想に思えてきた。
頭から振り切って、早足でそこを離れる。
ミカちゃんの席の隣につくと
「人気者だね」
中島くんたちのほうを見ながらそう言った。
「中島くんの隣、やっぱりやだな……」
「でも自分から言いなりになったんでしょ?」
「えっ? ああ、うん、そうなんだけど!」
そういえばそういう設定だったと慌ててうなずく。
「中島くんのことなんていいじゃん! 早く食べよ」
お弁当袋の紐をほどいて中身を取り出す。
今日はタコさんウインナーと、大好きなそぼろご飯。
騒がしい男子たちに背を向けて、もくもくと頬張った。



