中島くん、わざとでしょ



私も、隣が空いた席につく。

一番うしろで、壁側で、そして隣に誰もいないっていうのは少し寂しい。



予鈴が鳴って5限目が始まって。
ノートを取りながら、中島くんの分もとったほうがいいかなって考える。


私より遥かに頭がいいし、勝手に世話を焼く必要もないかなとは思うけど
午後の授業、出たがってたみたいだし……って。



帰ったら家の近くのコンビニに寄ってコピーして帰ろうって決めた。




『大事にしてやってくれよ』
浦本くんに言われたセリフ。


いつも周りにたくさんの人がいて、女の子も放っておかない中島くんはみんなに大事にされてると思う。

わざわざ私に言う必要はないと思いつつも、なにか意味が含まれて気がして、ちょっと引っかかった。



だけどそれも多分、考えすぎ。

テキトウに女の子を捕まえられるくらいだから、慣れてて当然。

弱ってるときは、きっと誰にでも甘えるんだ。
……さっきみたいに。ああやって。



甘えたら甘やかしてくれるのが、中島くんにとっては当然のことで。私は慣れない距離感にそわそわしたのに、相手にとってはなんでもないこと。

そう考えるとなんだかもやっとした。