……えっ?
なんでこんなことに?


私の体の半分以上、ベッドに乗っかった状態で。
目の前には中島くんの体。

存在を確かめるように再度ぎゅっと抱きしめられて、いよいよ息がつまりそうになる。




「……やわらか」


なんて声が落ちてくるものだから


「太ってるってこと?」


と、冗談っぽく返してみたけど。




「ちょうどいいってこと」


少し体を離したかと思えば、今度は肩に額をつけてくる。
柔らかい黒髪が私の顔に触れてドキっとした。



ちょうどいいってなんだろう。
とか考えながらも

次第に早くなっていく胸の音が聞こえないか心配になってくる。



……これは中島くん相当弱ってる。
弱ってなきゃこの前話したばかりの女にこんなことはしないはず。



中島くんこそ、相手が私って分かってる?って聞きたい。

お母さんか何かと勘違いしてない?って。



あまりにドキドキするから離れたいけど、病人だから、突き放すこともできず。


──────そんなとき。


私のポケットに入っていたスマホがバイブ音を鳴らした。