白くてきめ細やかな肌に引き寄せられるように近づけば
目の前の瞳がうっすらと開き。



至近距離で視線がぶつかる。

とっさに離れればよかったんだろうけど、胸がドキっと音を立てただけで私の体は動いてくれなかった。




「……近」

掠れた声。




「襲う気だった? 上月って案外積極的なのな」

「っ、はあ? 」


「冗談。 そいううタイプじゃないのは分かってる」

「……」



相手のほうが弱ってるのに、私がペースを乱されるってどうなんだろう。




「迎えに来てって言うから、来たんだけど」

「ああ、そうだったな」

「そうだったなって……」



忘れてたみたいに言わなくてもいいじゃん。




「まさか迎えに来てっていうのも冗談だったの?」

「そこ疑うのかよ」

「だって中島くん、わかりにくいんだもん」

「じゃあ、わかりやすくなるように努める」



そう言うと、ゆっくりと上半身を起こして目を伏せる。




「……喉かわいた」

「へ」

「水持ってきて。そこの冷水機のやつでいい」