どうもこうも……。
「色々あって」
「あたしに言えないようなことなんだ」
「うっ……」
ミカちゃんのことは信頼してる。
それに、例え本当のことをミカちゃんに話したとしても、この学校は圧倒的に女子の数が少ないから、そこから広まる心配もないし。
そう考えると、べつに話してもいいかなって気になってくる。
「弱みがあってね、それをぎゅっと握………」
言いかけて、口をつぐむ。
嘘つきで軽薄な中島くんだけど、いいとこの推薦を狙っているっていうのは本当みたいだし。
事実、勉強もできて、そのために努力は惜しんでない人だから、ここで煙草吸ってたんだよとあっさりバラしてしまうのも可哀想に思えてきた。
これはたぶん、さっき弱った姿を見たせいなんだろうけど。
「弱みを、握られてるんだ。私が」
「はのんが? 中島くんに? 」
「うん。 私が遼くんのこと好きって、バレちゃって……」
こうなった原因の部分を隠しているだけで、伝えていることはあながち嘘ではない。



