中島くん、わざとでしょ



「……なんか、問診みたいだな」

「問診?」

「俺が患者で、上月が看護師さん」



熱で潤んだ瞳がやんわりと細められる。

弱っているせいなのはわかっているけれど、普段よりも纏っている雰囲気が圧倒的に柔らかいせいで調子が狂ってしまう。




「今日は5時に起きた」

「5時? 早くない?」



校区内である西区に住んでいるんだから、そんなに早起きしなくても十分間に合うはずなのに。




「今日は、たまたま目が覚めた」

「そうなんだ……。私は、朝は苦手」

「俺も。いつもはギリギリまで寝てるし」

「だよね。早めに目覚ましかけても、起き上がるのは結局同じ時間だったり……」



話が違う方向に盛り上がり始めたことに気づいて、慌ててゴホンと咳払いをする。




「次は……朝ごはんは食べましたか」

「パン一枚」

「じゃあ、“ 少し” に丸しとくね」




そんな感じて最後の項目までやり取りを終えたとき、丁度いいタイミングで体温計がピピッと音を鳴らした。