中島くん、わざとでしょ



「ゾク?」

「……あー……、なんでもねぇー」



面倒くさそうに話を終わらせ、足を速める。


ゾク……って、族?
族……って、暴走族?



そう言えばこの前も「俺たちのシマ」とか言っていた覚えがある。

縄張りみたいなのがあるんだろうか。

遼くんから聞いた噂でも、中学の時から毎日鉄パイプを振り回して喧嘩してた……とか。




「中島くん、やっぱり不良なんだよね」


答えたくないのか、面倒くさいのか、もしくは話す元気もないほど体調が悪いのか。


沈黙のまま保健室に続く階段を下りる。
私の質問は無視するくせに、手だけはしっかりと繋いだまま。



保健室のドアを、反対の手で3回ノック。
こういうところ、きちんとしているんだなあとヘンに感心してしまう。



中に入ると、保健の先生がデスクでパソコンを忙しそうに操作していた。