地下鉄を降りて、電車が走り去る時の熱風が嫌いだった。


佐倉優は空色のしおりを挟み、本を鞄にしまいながらその熱風に耐えようと顔を顰める。


改札を出るとウォークマンに繋げていたイヤホンを外し、いつもの東京都立中央図書館へ向かう。




昨日の雨の名残が嘘のように、空は晴天が広がっていた。






____完