青よりも薄く、水色よりも少しだけ濃い、そんな色を花実は「空色」と表現した。




「……花実は、空が好きだよね」




「え?」




「虹を作る夢、まだ見るの?」





「よく覚えてるね。最近は夢を見なくなったみたい。空は、好きだよ。優は、嫌い?」





「よく、分からない。」




言って空を見上げてみたが、夕暮れの空は花実の言う空色ではなかった。




「やっぱり、よく分からないや」




「空は何があっても、何処に行っても、一緒にいてくれる。いつだって味方になってくれる」




花実は笑顔の裏に悲しみを隠してそう言った。



「心強いんだから」




大人になりきれない、子どもが言う。




「頑張れ」って、「頑張ろう」って、聞こえた気がした。