浮気してるくせに平然な彼






「悪い。言い方が悪かった。でも、仕返ししたいって思わねえの??普通は思うんじゃ??」


「だから浮気して仕返ししろって??そんな事したら、俺と橋本は一気に成り下がるじゃん」



 『せっかく離れる事ができたのに、アイツ等と同類とか、死んでもゴメンだから』と、呟きながら黙々とパンケーキを頬張る堀内くん。


私は安達さんの味方じゃないけど、決して”成り下がれ”って意味で言ったワケではないであろう、安達さんのシュンとした顔を見て、


「安達さんは同類になれなんて言ってないよ」


 つい、堀内くんに言い返してしまう。


「…………わかってる」


 『安達ゴメン』と素直に謝る堀内くんに、安達さんも『俺もゴメン』と乾いた笑いを返した。



 …………私のせいだ。


 本当は仲が良いであろう、二人が、気まずい思いをしているのは私のせいだ。


 自分の心の弱さが歯がゆくて、悔しくて、グッと唇を噛み締める。



 話し合おう。


 ちゃんと、陸くんとサナと向き合おう。


 逃げてても現実は変わらない。