「お前、こんな所で何してんの? 何で泣いてんの? ってか、一人?」
………心配してくれるのはありがたい。だけど、今はほっといてほしい。
「………ちゃんと友達と一緒だから大丈夫。ここで待ち合わせしてるの」
『だから、あっち行って』と、少しキツイ言い方をする。
堀内くんはカッコイイ。
だから、きっと堀内くんに彼女がいたとしても浮気される事はない。
………堀内くんに私の気持ちは分からない。
だけど、
「あっそ。で、橋本は何で泣いてんの」
堀内くんはなかなか私を一人にはさせてくれない。
――質問、答えたじゃん。
何で泣いてるかなんてもうイイじゃん。
堀内くんが鬱陶しくて『お腹痛いだけ』とウソを吐く。
ウソとバレないように、ウソを言ったつもりなのに、
「泣くくらい、腹痛いんだったら友達と待ち合わせしてる場合じゃねぇだろ。 腹痛くて号泣してる橋本となんて遊んでもつまらないに決まってんじゃん。 気遣いまくりじゃん。 ウソ言うなら、もう少しマシな例えにしろよ」
堀内くんは一瞬で私のウソを見破ってきた。



