だって二人は私に隠れて浮気していた。


 いつからなのかは分からないけど、友達ならあんな風に手は繋がない。


 私は二人の重荷だったのだろうか。


 陰でウザイと言われてたのだろうか。 二人とも無理やり私に付き合ってくれてたのだろうか。


 考えれば考えるほど分からなくて、肩を震わせ泣いていた。


 どれくらい泣いただろう。



「………………あれ、橋本?」



 頭上から聞き覚えがある声が聞こえてきた。名前を呼ばれたからには、顔を上げないワケにはいかない。


 ぐしゃぐしゃになった顔を上げて、声をかけてくれたその人に、自分の悲惨な顔を(さら)す。


 声をかけてくれた人は、同じクラスで前の席の堀内(ほりうち)くんだった。