「分かった。その言葉が嘘じゃないなら、橋本が今後本音で話せる人なんて出てこないと思う。俺だけだと思う」



「…………………え、あ、うん」



 こんな言い争いしてる状態でお店に入れないと思っていたけど、素を見せる事により堀内くんの機嫌は明るくなった為パンケーキ屋さんに入る。



 案内されるがままに奥のテーブルへと座る。


 メニュー表を開き、


「………お腹すいたな。好きなモン頼めよ」


 ……………陸くんとはいつでも割り勘だった。


 その方がお互いに気遣わなくて良いし、好きなものを食べられるし。



 『払ってやるから』とでも言いたそうな堀内くんに、違和感しかない。



「……………じゃあ、この日替わりパンケーキセットAで」


 それでも『自分の分は自分で払う』と、当たり前の事も言えずに、『奢らせる気かよ』とも思われたくないし、無難な範囲のパンケーキを頼む。