「………ム、ムリだよ………」
『だってアイツ、自分のコトばっかりで俺の言うこと全然聞かないんだもん。美羽じゃないとムリだもん!って事でおやすみー!!』と、言いたい事を言っては、一方的に部屋を出て行ってしまった。
いや、ちょっと!!堀内くん!!?
って、何気に『美羽』って呼びになってる!!
陸くんから呼ばれる『美羽』と堀内くんから呼ばれる『美羽』は全然違う…………
さっきまであれだけ泣いてたのに、"美羽"こう呼ばれただけで、今私麗美さんに何を言おうかって少しワクワクしながら悩んでる。
***
『美羽ちゃん大丈夫だった!?』と、泣きそうな顔をしながら部屋に戻ってきた永倉さん。
永倉さんが一緒に寝てくれたけど、麗美さんに何を言おうか考えてたら、今度は私が寝不足で。気付くと朝になっていた。
昨日堀内くんが一睡もしてないように、私も一睡もできなかった。朝食中、
「美羽、目死んでるぞ」
笑いながら私の頬をツネる堀内くんは、どうやらぐっすり寝れたみたいだ。



