どうして堀内くんは私の事を好きになってくれたのだろう。
私なんかに、堀内くんみたいな人はもったいない。………と思う反面、やっぱり堀内くんを誰にも渡したくなくて。つい堀内くんの服をギュッと掴んでしまった。
こんなにイイ人、他にいない。
だから、手放したくない。絶対にもう手放したくない。
「私………陸くんの事全部堀内くん任せだった。全然自分で何もできなかった………ごめんなさい」
“ありがとう”より、“ゴメンなさい”の気持ちが強すぎて。大好きなのに、好きだと言いたいのに言う資格がない気がして、ひたすら出てくる涙と出てくる言葉を吐き出す。
ひたすら泣く私に、堀内くんはひたすら温かい笑顔を向けてくれていた。
「じゃあ、今度は橋本が麗美を負かして」
……………え、負かす??
“麗美を負かして”なんて言われると思わなくて、意味分からなくて余計涙が出てきてしまった。
私堀内くんじゃないのに、言い負かせるワケないじゃん………
「大事な事が解決してから時間を作る事を約束してんだよ。明日帰ったら会おうって連絡しとく。橋本が俺のツケにケリつけて」



