ゆっくり自分の席へ座ると、石田くん、松本くんは私の暗い雰囲気を察してか『じゃ、また後でな』と堀内くんの元から離れてしまった。
当然、堀内くんにも気づかれたようで、
「………どうした?」
優しく声をかけられた。
また堀内くんの優しさに甘えてしまう。
「堀内くんごめんなさい……サナと陸くんに、堀内くんが ”なんとなく” で彼女と別れない人って知ってほしくて、浮気されてた事言っちゃった………」
「別にいいよ。 で、なんか言われた?」
「うん……浮気される方が悪いって………」
「ふーん。で、 橋本は何で泣いてんの??」
え……”何で”って。
「そんなの堀内くんが悪く言われたから………」
………言いかけて言葉が詰まった。 違う。
こんなの綺麗事だ。 堀内くんに綺麗事を吐いたって、すぐ見破られる。
「”浮気される方が悪い” って言われるほどの何をしたのか……分からなくて………」



