「俺はただ――『オマエが浮気しなかったら橋本は俺と話す事もなかったじゃん。 橋本はオマエら二人の浮気現場を目撃して、二時間もあの寒い中泣き続けてたんだぞ。 何が"美羽はもう浮気してんじゃん"だよ。 100%オマエが原因のクセに。同罪みたく言ってんじゃねぇぞ』


 陸くんに怒ってくれる堀内くん。


 『ごめんなさい』と『ありがとう』が入れ混じって、堀内くんの顔を見る事ができなくて、ただひたすら堀内くんの声だけを、目を瞑って聞いていた。


「俺と橋本はオマエらみたいにならないよ。だって俺達は『浮気される側』の気持ちが分かるから。浮気される側の気持ちが分かる俺達が、浮気なんてするワケねぇじゃん」


 『だって、超絶苦しかったもんな?』と微笑んでは、私に問いかけてくる堀内くん。