浮気してるくせに平然な彼








 グッと堪えていた涙が頬を伝って流れ落ちる。


「何勝手に勘違いしてんのよ!私がアンタを裏切るワケないでしょ!!!」


 クローゼットが開かれると同時に、サナが顔を真っ赤にして怒鳴りながら出てきた。


 ……………サナ。


「石田、松本!陸を抑えに立つ!出る!走る!!」


 苦しそうに座り込んでいる石田くん松本くんの頭を容赦なく叩いた後、陸くんにニッと笑った。


「陸、私が証人。私のスマホには美羽に見せられないような履歴があるし証拠になる。私を前にしてもまだ“浮気してない”って言い張れる??」


 サナが出てくるなんて思ってなかったんだろう。陸くんの顔はどんどん青ざめていく。代わりにサナを見た堀内くんはサナに笑みを浮かべた。


「お前、俺裏切って陸に行ったんじゃねぇのかよ」


「一時的に行っただけ!私が堀内を裏切るワケないでしょ!!」