クローゼットから出てくるなり、まだ中にいる石田くん松本くんサナを差し置いて閉めてしまった。
堀内くんが出てきた事によって、陸くんは私から渋々離れる。
「覗くなら最後までそこで覗いてろよ」
イラついた声を上げる陸くんに、堀内くんはハハッと乾いた笑いを吐く。
「おまえらがヤってる所見て興奮するワケねぇだろ、バカかよ」
陸くんが退けてくれた事によって、身動きができる状態になった私に『つーか、橋本はいつまでベッドに寝てんだよ。早く起きろ』と、イライラの矛先を私にまで飛ばしてくる。
…………なかなかクローゼットの中から出てきてくれなかった堀内くんに、そこまで言われたくない。ーーと思いつつも、確かにこんな状態で堀内くんの話を聞けるワケないので、言われるまま起き上がる。



