浮気してるくせに平然な彼






 同時に陸くんの表情が一気に強ばった。


「美羽、どういうこと?」


「石田くん達にもらったドリンク剤がそういうモノだったみたいで、知らずに堀内くんに渡しちゃって………『じゃなくて!堀内と二人ってなに?夜、堀内と一緒だったの?』


「……………うん」


「性欲剤飲んで、夜美羽と二人きりにさせられて。耐え抜けるワケないじゃん。美羽も大概純粋な風に見せかけて、きっちり堀内とヤる事ヤってんじゃん」


 ”初めてじゃないじゃん”と、
 段々不機嫌になる陸くん。
 イラついた表情でそう言われた。


 …………違うのに。


 『堀内くんを陸くんと一緒にしないで』くらい言ってやろうかと思っていると、



「だから俺はお前じゃねぇから、目先の欲望に溺れたりしねぇんだよ」


そう言ってはクローゼットを開け、堀内くんだけ出てきた。