浮気してるくせに平然な彼







「”軽くない”とか、どの口が言ってんだよ。 お前が別れたくなくても橋本が別れたいって言ったら別れろよ」


 黙って陸くんに目を向けていると、堀内くんが”別れる”時の事を話し出した。



 ……ただただ、泣きそうだった。







 昼休みになり、完全に堀内くんを敵視している陸くんは『弁当持って』と、私とサナに不機嫌な顔で合図した。



 そしていつも通りサナと陸くんと、空き教室でご飯を食べる。 そんな中話題はやっぱり堀内くんだった。




「美羽、堀内が言った事気にするなよ。 美羽は俺達の班だから」



「そうよ! 美羽は私たちの班なんだからね! それに陸と美羽は別れるワケない! もし美羽が別れるなんて言い出したら何がなんでも阻止するから!」




 ”阻止する”と言ったサナの嬉しそうな顔が隠しきれてない。


 サナは分りやすかった。 きっと、陸くんが好きで好きでどうしようもないんだろうな。