浮気してるくせに平然な彼





 皆に励まされ、陸くんが待っているであろうトイレへと、走るように向かう。


 トイレ前には、顔を曇らせる陸くんがいた。


 陸くんの顔を見た瞬間、顔が強ばるのが分かる。


 ……………陸くんの事は大好きだった。だけどいつも、緊張して言いたい事も言えなかった。


 前、陸くんにサナと浮気していた事を問い詰めた事があるけど、私の意見なんてまるで聞いてくれなかった。


 くじけそうになる気持ちを、誤魔化すようにゆっくり口を開く。


「陸くん、私の事どう思ってる??」


 自分の気持ちよりも先に、陸くんの気持ちを聞く。