浮気してるくせに平然な彼








 陸くん達から目を離さないよう、いなくならない範囲で行動を共にする。


「ごめんね。 皆は好きな所見てきていいよ?」


 申し訳なさすぎて、“私一人で大丈夫”と言ってみるも、“協力するって言ったっしょ!!”と、石田くん達は嫌な顔する事なく一緒に行動してくれた。


 陸くん達がご当地の名産品を試食していれば、
私達も近くの名産品を試食する。



 私がしている事は完全にストーカーだ。
 こんなの気づかないワケない。


 陸くん達をちらちら見ていると、試食中のサナと目が合った。


 “任せて!”といった笑顔で陸くんにコソコソと何かを伝えている。


 ………………私に気づいた陸くんがその場から離れ、何処かへと行ってしまった。


 そして制服に入れていたスマホのバイブが鳴る。



 スマホの画面を見ると、“近くのトイレ入り口にいる。来て”


修学旅行中、初めて陸くんからLINEが届いた。