「最初は片想いで良かったのに抑えきれなくて……私から陸を誘ってしまったの。陸は美羽の彼氏だからって頭では分かってたのに………ごめん、ごめんね……」
サナの涙を見ながらポケットに入れてたハンカチをスッと差し出す。
『ありがとう』と受け取っては、ボロボロ溢れてくる涙をハンカチで拭っていた。
「浮気された理由は、私がヤれなかったから。大丈夫、全部分かってるから」
「………違う。全部私が仕向けたの。陸はちゃんと最初は私を拒んだよ。私が陸の弱みに付け込んで誘ったの………」
こんなになってもまだ、陸くんを庇うサナは………
「サナ、まだ陸くんの一番になりたいって思う??」
未練があるのだろうかと思い、さりげなく聞いてみた。