「そんなバカな事しないわよ!!」


「あと、明日。間違っても誰かさんの情に流されんじゃねぇぞ」

「それは今夜、堀内の行動を見てからね!私、堀内が口だけの男じゃないって信じてるから」


…………は??今夜??


「今夜ってなんだ『お風呂入らなきゃ!!じゃあまたね!!!』


 って、おい!!
………毎度毎度勝手に言い逃げしやがって!!!


 今夜ってなんだよ!!!
 何で俺に内緒で秘密の計画練ってんだよ……


 ……仲間外れじゃん。


 部屋の前まで戻り、カードキーをドアに挿して部屋に入る。中では石田と松本が慌てるように喋っていた。

 そして俺に気づき、


「違うって、俺らが部屋出て…………あ、堀内」


『しまった』というような顔をする。


「………部屋出て、なんだって??」


「………い、いやああ、アハハ………つーーーか風呂じゃん!!」


 …………サナと同じ言い訳をして、石田松本は”風呂風呂!大浴場!“と歌いながら俺が持ってたカードキーを奪い部屋から出て行ってしまった。


「……………つーか、カードキー持ってくなし!!」


仕方なく自分のベッドに横になる。


 …………明日の夜、サナに協力して陸を呼び出す。
 石田と松本には陸を抑え込む役として協力してもらう。





 ーー明日の夜の事しか頭にない俺は、



 今日の夜の事なんて少しも考えていなかった。