「別にバレてもイイじゃん。安達とはこれっきりなんだし」
“だからそんなに気にする事ない”と励ますも、サナの嫌そうな顔は変わらない。
……まったく。赤の他人に話されてイヤな事は最初からするなよ。
「大丈夫、安達もお前と同じ立場だから」
遠回しに“安達も浮気してる”と伝えると、驚きながらも納得したらしいサナは“ウン”と頷いてくれた。
顔を強張らせながら乗り込むサナに続いて、俺もそのまま一緒に、後部座席へと乗り込んだ。
“早く私を紹介してよ”といった目で見てくるサナを横目に、
「安達、この子俺のクラスのサナ。親友の彼氏と浮気してしまった、どうしようもないヤツ」
悪態を交えながらも紹介する。