「別に。アンタが“助ける”って言ったのがどういう意味か知りたかっただけ」



「教えるから車乗って。俺の近所の大学生が乗っけてってくれるから」


 サナのキャリーケースを持って勝手に引いたその時、


「待って。嫌だ、乗りたくない」


と、安達の車に乗る事を拒否し出した。



「何がそんなに嫌なんだよ。大丈夫、安達いいヤツだから」



「そうじゃない。車に乗って話するんなら、アダチさんって人に私がどういうヤツかバレるでしょ。それがイヤなの」