浮気してるくせに平然な彼




 そんな事言われて黙ってるハズない堀内くんは『は??口説くって何??』と、石田くん松本くんに聞き返している。



 好きだなんてこの先一生言うつもりもないから。だから、堀内くんにまでアレコレ言わないで………


 これ以上、冷やかされるのが怖くてギュッと目を瞑っていると、

「美羽が口説くワケないでしょ。アンタ達バカ?」


誰かが言い返す声が聞こえた。

 ………この声は、サナだ。



「でも、橋本さん堀内くんと一緒の班になったじゃない!!それに今日だって、陸くんに聞こえる声で、堀内くんが来なきゃ自分も行かないって言い出したんだよ!?ありえなくない!?」


 クラスの数人が声を揃えて懸命に説明する中、堀内くんも同時に声を上げた。



「別にありえなくねぇだろ!俺が無理矢理、橋本を自分の班に引っ張ったんだし。な、サナ!」



「それ以外に何があるのよ、だいたい美羽がこんな噂流されてんの、全部堀内に原因があるんだからね!!」


「分かってるし!俺、クズだから橋本しか自分の班にしたくなかったし」