私たち以外の生徒はもう既に全員バスに乗り込んでいた為、バスに乗ると『早く来いよ』というような、白い目を皆から浴びる。
陸くんに至っては、”堀内くんがいないなら行かない”とワガママ言ってる所を見られたのだろう。目が合うなりムッとした顔をしていた。
謝らない。ーーもう謝らない。
堀内くんが好きという事を。私の気持ちが陸くんにバレる覚悟で堀内くんの事を口にしたんだ。
いっその事バレてくれた方が良い。
私の座席は後ろから2列目だった為、前の席の陸くんの横を無言で通り過ぎる。
ーーだけど、皆から白い目を向けられてた理由は“バスに来る事が遅かったから”じゃない。
『橋本さんって陸くんと付き合ってるのに、堀内くんがが来ないと行かないって行ったらしいよ』
『そういえば堀内くんと最近仲良かったよね!?怖ッ!!』
周りから聞こえてくるヒソヒソ声。私の耳にまで聞こえていた。
白い目を向けられていた理由は皆に“付き合ってる彼氏がいるのに、堀内くんの事が好き”ってバレたからだった。



