もうイイ。
 もう、どうでもイイ。


 もう、陸くんに何を思われてもイイ。



「………私、行きたくない。堀内くんがいなきゃ修学旅行行かない」


 堀内くんがいない修学旅行なんて、全然楽しめないし、楽しくない。



 「大丈夫だから」と、何が大丈夫なのか全然分からない状況で私を連れて行こうとする先生に、『イヤだ!先生、私行かない!』と意地になる。



 小さい子どものように駄々をこねる私を見て、石田くんと松本くんはクスクスと笑っていた。


 一緒になって先生を引き止めて欲しいのに、笑ってる場合じゃないのに。


泣きそうな顔をして石田くん達を見ると、

「すっかり堀内の存在が不可欠になったな」


と、お腹を抑えて笑っている。