俺の顔を満足そうに見るなり、



「ごめんね、キス初めてだったよね?」



 見下してるとしてるとしかいいようがない言葉を吐いて、俺の頬をゆっくり撫でた。



 ……………ふざけてんなよ。
 



「キス初めてじゃねえから」



 サナが初めてじゃない事を伝えると悪い顔で微笑んでいたサナの表情が一気に険しくなった。



「美羽としたの!?」



 コイツの頭の中は橋本しかないらしい。



 どこまで執着してんだよ。ここまでくると、怖い通り越して気持ち悪い。




「ちげーよ、元カノ」



 『だからいい加減離れろよ』と付け加えると、


「ふーん、ちゃっかりヤる事ヤってんだ?? 堀内がどんなもんか教えてよ」



吐きたくなるような甘ったるい声で、俺を誘惑しているつもりらしい。


 楽しそうに俺のズボンのベルトをカチャカチャ外し始めた。