手を繋ぐのも、キスをするのも、その先も。

全て千代からだった。



千代は俺をどこまでも引っ張ってくれる存在だった。



だけど、中学二年に上がってからは変わってしまった。



好きと伝えてくれることもなくなった

手を繋ごうとしても

「ちょっと、今は嫌だし」

と断られるだけ

もちろんキスもその先も、することはなくなっていた



長く付き合えば当たり前といえば当たり前。


だけど、俺には何だか物足りなくなっていて。



そんな時、あの雨の日。


いつものように家に遊びに来た千代。
俺のベッドで本を読んでいた。


泉の話を思い出し、たまにはスキンシップを取ろうと思った。


でも。



「やめてよ!私達もう、そういうんじゃないじゃん」



千代のその言葉にひどく傷ついた自分がいた。


千代にとって俺はもう男じゃない。


でもそれと同時に、だらしない格好や汚い言葉遣いをする千代に対して俺自身も女として見ることが出来なくなっていたことに気づいた