オレが口をつぐんでいると、目の前の男の人は面白そうに、オレの顔を覗き込んだ。
「こんなところまで、わざわざ、打ちのめされに?」
そのイケメンは、クスクス笑い続ける。
「悪いかよ」
「いや? 略奪じゃなきゃ、オレは構わないよ。さすがに、結婚式に乱入されたんじゃ、ハルちゃんも叶太も可哀想だからね」
「そんなこと、しないし」
「そう?」
「……陽菜ちゃん、すごく幸せそうだったし」
思わず、目の前の人から視線をそらした。
「諦められた?」
答えられない。
そもそも、諦めるって何だろう?
打ちのめされに来た。
実際、幸せそうな2人を見たダメージは大きい。
だけど、それでも心の底から湧き上がる、渇望と言いたいような衝動は何だろう?
オレ、心が狭いのかな?
陽菜ちゃんが幸せそうなのは、良かったなと思うけど、じゃあ、それで安心して陽菜ちゃんへの想いを手放せるかって言ったら、全然なんだ。
気がつくと、オレは青々とした柔らかそうな下草の生えた地面を見つめていた。
自分の心の狭さと言うか、自分しか見えていないところと言うか、そう言う人間としてまだまだなところを目の当たりにして、何だか、すごく情けなくなった……。
ふっと地面に影が差して、頭に大きな手が降って来た。
「わっ」
思わず顔を上げると、わしわしと頭を撫でられた。
「君、可愛いな」
「こんなところまで、わざわざ、打ちのめされに?」
そのイケメンは、クスクス笑い続ける。
「悪いかよ」
「いや? 略奪じゃなきゃ、オレは構わないよ。さすがに、結婚式に乱入されたんじゃ、ハルちゃんも叶太も可哀想だからね」
「そんなこと、しないし」
「そう?」
「……陽菜ちゃん、すごく幸せそうだったし」
思わず、目の前の人から視線をそらした。
「諦められた?」
答えられない。
そもそも、諦めるって何だろう?
打ちのめされに来た。
実際、幸せそうな2人を見たダメージは大きい。
だけど、それでも心の底から湧き上がる、渇望と言いたいような衝動は何だろう?
オレ、心が狭いのかな?
陽菜ちゃんが幸せそうなのは、良かったなと思うけど、じゃあ、それで安心して陽菜ちゃんへの想いを手放せるかって言ったら、全然なんだ。
気がつくと、オレは青々とした柔らかそうな下草の生えた地面を見つめていた。
自分の心の狭さと言うか、自分しか見えていないところと言うか、そう言う人間としてまだまだなところを目の当たりにして、何だか、すごく情けなくなった……。
ふっと地面に影が差して、頭に大きな手が降って来た。
「わっ」
思わず顔を上げると、わしわしと頭を撫でられた。
「君、可愛いな」



