未練と祝福 〜14年目の永遠の誓い 番外編(3)〜

陽菜ちゃんをこっそり見ながら、晃太さんが持って来てくれた料理を食べ、ノンアルコールカクテルを飲む。

それがあまりに美味しすぎて、本当はもらった分だけで満足しておけば良かったのに、もう少し……とつい端っこのテーブルに向かってしまった。



そんな風に欲張ってしまったのがいけなかったのだろうか?

木陰からそっと見るだけで良かったのに……。



「あれ、お前、一ヶ谷じゃね?」

「ホントだ、横恋慕くんじゃん」

「え!? まだ諦めてなかったの、お前!?」



気が付くと、広瀬先輩の友人と思われるの皆さんに囲まれていて……。



さすがに招かれざる客だと自覚しているオレが、しどろもどろに受け答えをしている内に、気がつくと目の前には、若干険しい顔の広瀬先輩が立っていた。



「あの! オレ、別に邪魔しようとか、そう言うんじゃなくて!」



思わず、広瀬先輩の顔を真っ直ぐに見て訴えていた。

オレは、去年、陽菜ちゃんにひどいことをしたと、本当に心から後悔している。
だから、本当に他意はないんだ。

この上、結婚式をぶち壊しに来たなんて思われたくない。いや、思って欲しくない。

きっと広瀬先輩の人生で一番幸せな日である今日を、オレのせいで曇らせたくなかった。



「ただ……遠くからで良いから、陽菜ちゃんが幸せになるところを見たくて……」