そして夏休みが明けて、先生と学校で顔を合わせても、挨拶を交わすだけ。
婚約者がいて、先生と雑談をしに化学室に通っていた頃のほうがよっぽど親密で。
一線を越えてしまった私たちは、おかしいぐらい他人で、教師と生徒の関係に戻っていた。
――『後悔してますか?』
久しぶりに来たこの空間は、泣きそうなぐらい先生の香りで溢れている。
――『澤田健一として、私と身体を重ねたことを、後悔してますか?』
もっと乱暴でも良かったのに、先生はとても優しく私に触れた。
頭で彼女のことを考えてくれていても良かったのに先生は『宮村』と、学校で呼ぶ声よりも低い声で名前を呼んでくれた。



